粛清者-新撰組暗殺録-
第三幕
秋も深まってきた頃、新撰組壬生屯所に総司の待ち望んでいたものが届いた。

京都守護職からの、新撰組局長・芹沢鴨暗殺に関する密命書。

余りに粗暴な振る舞いの多い芹沢に、遂に幕府が抹殺の指令を下したのだ。

「…これがその密命書だ」

土方からそれを手渡された総司は内容を熟読した後、いつものように屈託のない笑顔を浮かべる。

「芹沢さん、暗殺の対象にされちゃったんですか。まあ随分好き勝手な振る舞いしてたから、仕方がないですけどね」

「決行は九月十八日深夜…俺、藤堂平助…そしてお前にも来てもらう。いいな?」

険しい表情でその旨を伝える土方。

彼の言葉にも笑顔を絶やさぬまま、総司は頷いた。

「勿論ですよ、土方さん」

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