☆花咲く頃に.。.:*・°

病室で待とうかと話していたけれど、どうにも暑い。

母も私も、暑いのは苦手だ。病院と言う場所は特に、独特の密閉感がある。


玄関ロビーのソファーが、一番涼しかった。お尻の落ち着き先を、そこに決めた。

本が読みたいと言う母に、貸し出し図書の中から見繕って渡し、私は院内探訪に出る。


こんな時でもなければ見ないであろう貼り紙や、小冊子を読んだ。

自分で持って来た本もあったけれど、病院の本は病院でしか読めない。


持ち帰るとゴミになるであろう小冊子の中から


【家族ががんになったとき】


これだけ、母に隠して自分のカバンに忍ばせた。



それにしても遅い。予定の時間は、もう過ぎていた。30分遅れで病棟に上がってみたけれど、まだ戻っていない。

いくら何でも、そろそろ終わるだろうと、母と二人、8階の面談コーナーに場所を移した。

ここならエレベーターフロアも見えるし、陽当たりもかげって来たので一石二鳥だ。


エレベーターが開く度に何度も振り返って確かめるけれど、

何度目かを過ぎた頃には、それすらしなくなっていた。


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