この世界で君を愛す
その6 星空の下で
「もうすっかり夏だね」

少し涼しい風が吹いてきた夕暮れ時に 私と渉は買い物がてら散歩に出た。


「7月だからね」

そう言って振り向いた渉の額には うっすらと汗が光っていた。


私達は手を繋いで 家の近くの公園まで歩いてきていた。

犬の散歩をしている人や キャッチボールをする男の子 自転車を押しながら歩く高校生など…意外と人がいるようだ。


さっき店で買ってきたジュースを飲むために 私達はベンチに座った。


ベンチの横には誰が植えたのか 大きなひまわりの花が一本 空に向かって伸びていた。


ペットボトルの蓋を開けながら渉が言った。

「前にさ。ひまわり畑って言うのかな?一緒に見に行ったことあるよね」


「うん。キレイだったよね。また行きたいな」


「行こうか…?」


「えっ いいの?」


渉はおかしそうに笑った。

「当たり前でしょ。遠慮するなんて変だよ?そんな未知も可愛いけどさ」


そう言って渉が飲んだペットボトルから ポタポタと水滴が流れて落ちた。



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