この世界で君を愛す
その9 告白
私は駅から家までの道を歩いていた。

今私が翻訳している本の事で 大学の先生の所へ相談に行ってきたのだ。

先生は「よく出来てる」って褒めてくれた。



早く渉に話したい。



私は近道である公園を突き抜けて行くことにした。


ガサガサッ。


突然草むらの中から何かが飛び出した。

それは私の前にちょこんと座り しっぽをパタパタ振っている。


「仔犬だ!かわいい!」


私は仔犬を抱き上げると回りを見渡した。


「キミの飼い主さんはどこ?」


ふとベンチの横に目をやるとダンボールの箱が。



うそ…まさか…。



『可愛がってください』



やっぱり捨て犬だ。



ど…どうしよう。

このまま置いていくなんてできないよ。



私はその場をウロウロと歩き回った。



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