この世界で君を愛す
その10 落ち葉舞う
日曜の午後。


僕がチョコを膝に乗せて雑誌を読んでいると 正木が遊びに来た。


「じゃじゃ~ん!」


正木はポケットからボールを取り出すと それをチョコに見せてから壁に向かって放り投げた。


大興奮のチョコはボールに向かって一目散。


ボールをくわえると これは自分の物だというように 得意げにしている。


「おいチョコ。ボール返せよ。また投げてやるから。」


正木がボールを取ると「早く投げろ」とチョコはワンワン吠えた。


それを何度か繰り返していると 未知の部屋のドアがガチャリと開いた。


「あっ未知さん!なんだいたんですか。静かだから出掛けてるのかと。って…あれ?どうかしました?」


「集中できない…。」


未知はそう言うと一歩近づいてきた。


正木は呑気に笑っている。


「間に合わないかも!」


未知はズンズン歩いてくると正木の首を…締めたりはしなかったけど 正木が「ひぃー!」と怯えるほどの殺気を漂わせていた。


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