この世界で君を愛す
その1 失った日
「まぁ!とってもお似合いですよ!」


「そう…ですか?」


「ええ!本当にお綺麗です!」


式場のスタッフが感嘆の声をあげた。

もちろんお世辞が含まれているのはわかっていたが 自然と頬が赤らんだ。

私は大きな鏡に映った自分の姿を眺めた。





純白のウエディングドレス…。





私はこのドレスを着て 一ヵ月後には渉(わたる)のお嫁さんになる。


このドレスは前回式場に来た時に渉が選んでくれた物だった。

「これがいいよ!未知(みち)には絶対これが似合う!」

そう言ってくれたっけ。


渉が言った通り…自分で言うのもなんだけどすごく似合ってるみたいだよ。


渉も今日来れば良かったのに。

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