烏乃唄-カラスノウタ-


「矢崎さん!」


「あっはい!」


「こちらの商品“簡易包装”してちょうだい」


「分かりました」




今矢崎を呼んだのは佐藤美香(さとうみか)。


某酒店でパートをしている三十五歳である。


仕事はまあまあ出来、酒店という仕事上重たい荷物を運ぶことが多いがその体格の良さから軽々持てるため男性社員から心強いと言われている。


一方包装を頼まれたのはアルバイトで入っている矢崎圭(やざきけい)で大学生である。


仕事は雑用が多いが教えたことはすぐに覚え、更によく動く。


体格はどちらかというと華奢で酒店向きではない感じであるため重たい荷物を運ぶと男性社員から必ず大丈夫?と言われていた。
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