烏乃唄-カラスノウタ-
もし通報してあの倉庫が見つからなかったらそれはそれでよしとする事に決めていた。


しかし通報した翌日、あっさりとその倉庫は見つかった。


もちろん豊島は即逮捕。


共謀していた何人かの看護士達も逮捕された。


慎一郎は退院したあとあの倉庫から助けられた百人近い人達一人ひとりお見舞いしてまわった。


しかしその人達の中に“あの”男性はいなかった。


あれ以来慎一郎の肝臓を取り戻しにも来ない。


結局あの男性が誰だったのかは闇に消えた。








-7番 臓器提供者の秘密-終わり
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