海,テトラポッド,そして花火。
「ん。」

サツキは急いでコーヒーを飲み干し,カバンを掴んで止まった。
そして申し訳なさそうに私を見て言った。


「さっき,あの人見たよ。」


「……。
もう関係ないよ。
なにもかも。」


ニコっと笑って言った。
なんにも気にしてないように言ったつもりだった。


サツキは少し心配そうに上目使いで私を見て,店を出た。
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