黄昏の宇宙(そら)

「まあ、大変な御仕事をしてるのね」


イーグルを労う感情と同時に女性と思
われる意識が先に帰って来た。


「宇宙に出る方法か…」


今度は男性の意識が返ってくるそして、


「私達の星は、残念ながら宇宙に出る事
は諦めてしまったんだよ。太陽系の中を
行き来してはいるが、それ以上遠くに行
く事も、君達みたいに探査する事も止め
てしまったんだ。」


「何故だい?何故止めてしまったんだい
?」


イーグルは不安げに問いかけた。


「我々の星も時間と距離の壁を超える事
はできなかったんだ。だから、この星や
人類を愛する事で生き延びる術を探そう
としてるんだ。だから君に教えてあげる
事は何も無いんだ」


イーグルは思った。


平和で愛する事を知る文明が宇宙に出られ
ないのは皮肉な事だと。
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