白い天井~恋愛依存症候群~
いちいちアタシの言葉尻をとらえて一人で笑っているユウヤを、引っ張り起こす。
どうしたらジョッキ1杯でここまで楽しくなれるのだろう。


「別に気にしないで~。実はそろそろ切り上げないとウチのオヤジも怖いしさ。
でも、なんか珍しいモン見せてもらったわ~。動揺するチサ、撮っとけば良かった~っ」


言って、ハルコは自分で爆笑する。


「あ、そだ。アタシのメアド。その友達に渡しといて~」


紙ナプキンに書いたアドレスをユウヤに渡す。
どうやらアタシが混乱している間に、ハルコの勉強に役立ちそうな友達を、ユウヤが紹介することになったらしい。


「はいは~い」


あまりにも軽い返事に、アタシはがっかりした気持ちになった。

一体、どっちがお迎えなのやら……。


どうせ忘れちゃうんだから、あとでアタシから確認しなきゃ。


ジーンズのポケットにねじ込まれた紙を見て、そう思う。
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