白い天井~恋愛依存症候群~
部屋をきちんと整理してからにしようかな。


自分の散らかった部屋を思い出してうんざりしながら、アタシは化粧を直しに洗面所に立った。

有終の美というわけでもないけれど、外に出るならやはり、それなりには整えたい。


キュ……ザァァ


三面鏡の中のアタシは、すっきりとしたような、諦めたような顔をしていた。


「ユウヤと、一緒に」


自分に向かって、意志を確かめるようにつぶやいてみる。


ピンポーン


アイラインを書き直していると、ふいに玄関のチャイムが鳴った。
同時に、カチャリと外から鍵があけられる。


え……っ!?


ドキリと背筋が正された。


合鍵?


そんなの持っている人なんて……ユウヤの両親しか、思い当たらない。


ヤバ……。
アタシ、かなり怒られるんじゃない?

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