白い天井~恋愛依存症候群~
「ひっ」


腰がひけ、膝がくだけた。
その上に覆い被さるような、黒い影。

流れ出る血液を確かめる必要も、余裕もない。
痛みとともに白刃を濡らした紅が、アタシをさらに怯えさせた。


「やめ……っ」


必死の思いでねじった体。


……背中に……強い衝撃を感じて…………。


「……!!」


叫ぶ間もなく、アタシの世界は、じんわり滲んで、失われて行く。


「……」


無意識で、動いた唇。

誰の名前を呼ぼうとしたのか。
アタシ自身、わからない。


熱、い……。


落ちていく、意識。

いや、だ……。


想いも、何も、すべては、暗い淵へと飲まれて、消える。


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