最後に初めまして。
一ヵ月もすると俺は退院するまで回復していた。
しかし退院の日に一番喜んでくれるはずの古都の姿は何処にもなかった。

俺は家に帰るとヒロに頼んでいた事の答えを聞いた。


「例の事分かったか?」

『分かったのは分かったけど…本当ににそれでいいのかよ?』

「悪いな…変な事ばかり頼んで…恩に着るよ。」

『違うだろ?俺はそれで後悔しないかって聞いてるんだぞ。』

「後悔しないからやるんだろ?1%でも望みがあるなら俺は何だってやってやる。お前も百合さんが古都だったら同じ事するだろ?」

『俺はお前みたいに強くないからその時にならないと分からないな。』

「それで何処だった?」

『これに書いてある。頑張れよ。そう言うしか俺には出来ないけどな。』

「ああ…ありがとな。」


俺はヒロからメモが書いてある紙を受け取り目を通していた。


「やっぱりそうか…。」

『俺も初めはびっくりしたけど登の読みが当たってたって訳だな。』

「まぁ…そんな所だ。」


ヒロはそのまま俺の部屋を出て行った。

俺はシャワーを浴びて気持ちを抑えていた。

ベッドにあるだけのスーツを並べてどれを着るか悩んで大人しめな濃紺のスーツに着替えた。

ネクタイを締めて両手で自分の頬を叩く。


―― パチッーン ! ――


良い音と共に自分に気合いを入れる。

吸いかけの煙草を消して俺は部屋を出た。
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