最後に初めまして。
眠りに着いたのは夜が明ける前だった。
頬に何か感じて目が覚めた。


「……う…ん?」

『きゃっ。ごめんなさい。起しちゃった。』


目を開けた時に古都の恥じらう顔が写った。
その顔と頬の感触で想像はついた。


「ふああっ。おはよ。」

『おはよう。もう少しで朝ご飯だよ。』

「なぁ…古都。」

『うん?何?』

「どうせするならほっぺじゃなく口に頼むわ。」

『知らない。ばかッ。』


たぶん今頃古都は頬を膨らませて紅色に顔染めているんだろうと想像がついた。

顔を洗いながら鏡を見て俺は考えていた。

最近、過去を振返ってない事に…。

それは古都の存在がそうさせているのか?

古都の事を考えている自分が多いからなのか?


ただ言えるのは古都と知り合ってからの俺は、過去に縛られてはいなかったと言う事実だけだ。

一階に降りて行くとヒロが先に起きていた。


『ゆっくり寝れたか?』

「まぁーな…。」

『今日はどうする?』

「何かこの辺に面白そうな物はある?」

『遊園地が湖畔にあったけど…それぐらいか。』

「遊園地はパス。古都がはしゃぎ過ぎて倒れるたらヤバいわ。」

『飯食ったら車でブラついてみるか?』


俺達は百合さんと古都の手料理で朝食を済ませた後、車で近辺を探索に出かける事にした。
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