ふたつの恋の物語
試練

東子

ついこの間まで隣にいた君。
今もいるはずなのに
こんなに遠くに感じるのは
どうして?


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ゴールデンウイークはハルがバスケばっかりだったからどこにも行かなかった。

ハルはひたすら練習。
あたしはずーっと見学。

ハルの力にもなれず、何もできない自分が悲しくなった。



「あたし迷惑じゃないかなぁ・・・」

夜の公園でブランコを漕ぎながら言った。

目の前でハルがシュート練習をしている。

真剣な顔・・・


バスケをしているときのハルはやっぱり1番かっこいい。



「ねぇ、今年は球技大会どうするの?」

『バスケ!!』

「へ?」


ハルは毎年球技大会はバスケ以外の種目にしている。

理由はクラスにバスケ経験者がいなかったから。


『今年最後だし、バスケ部も3人いるしな!』

「そっか・・・」

あたしはブランコを思い切り漕いだ。

ハルはシュート練習をやめてあたしの横のブランコに座った。


『嫌?』

「そんなこと・・・」

『んじゃあなんで拗ねてんの。』

「拗ねてない!」
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