ふたつの恋の物語

春哉

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俺の１日は東子で始まると言っても過言じゃないと思う。

朝、春樹と迎えに行って、部屋に入って髪の毛をスタイリングする。

東子の髪は扱いが難しい。

だから美容師志望の俺にはいい練習になる。



俺達は小学校１年のときからずっと一緒にいる。

理由は２つ。
１つは家が３軒しか離れてないこと。
つまり隣の隣の隣の隣ってわけ。

家が近いから学校へ行く分団も同じだった。
だから小学校から高校までずっと一緒に登校している。

もう１つは母さんが東子の親父さん、つまり山田亮の大ファンだから。

おじさんが出る番組はほとんど見てるし、
家が近所なのにわざわざ切手を貼ってポストにファンレターを出しにいく。

おばさんがやきもちをやくくらい。



山田家に比べ、我が家は実に平凡な家だと思う。

父さんは普通のサラリーマンだし、母さんはスーパーのレジでパートしてる。

漫画に出てくるような普通すぎる家庭。
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表紙・目次

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