tian
あたしも、あんくらいキレイな空がいい。

ていうか、なんてのかな。

あ、そうだ。

あの空へ駆け出したい。

ふふ。青春だね。

でも、本当に。

あの、真っ青な空に溺れてみたい。

「ふふ。青春だね。」

上から声がした。

見上げると、さっきあたしが出てきた階段を覆う屋根の上に、白い作業服に青いペンキを付けた、あたしより2、3歳年上に見える男の子がいた。

「青春じゃないよ。現にあたしは屋上で独りぼっち。」

「はは、つれないね。でも、きみはこう思っただろう?…空へ行ってみたい。」



なんで?

怪訝そうな顔をするあたしに、大きなキャスケットをかぶった男の子は、いかにも営業用、といった笑顔で答えた。

「ぼくは、空を修復する仕事をしているのさ。」
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