幼なじみ〜first love〜
蒼に彼女が出来た。


蒼の初めての彼女。




その相手は栞。




一緒に住んでいても


幼なじみでも




あたしは彼女じゃない。




彼女には、なれなかった。




蒼の隣にいてもいいのは、あたしじゃない。




蒼の後を追いかけて来たのか、後ろから栞が現れた。




「…私たち付き合うことにしたの。二人も栞たちのこと、祝福してくれるよね?」




栞は見下したような不敵な笑みを浮かべ、あたしを見ていた。




「行こうぜ…夏川…」




「うんっ♪」




蒼は栞の腰に手を回し、二人はその場から去っていった。




ケンちゃんは隣で、信じられないと呆気に取られていた。




あたしはただ、二人の後ろ姿を見つめることしかできなかった…。
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