幼なじみ〜first love〜
…もしかして……




『俺のこと…忘れたの…?』




…ちがうっ…ちがうよ……!!




手を伸ばしたら、消えてしまった。




……待ってぇぇぇ…――。










パチッと目を開けると、白い天井が見えた。




はっ…夢…?




「絢音っ…!?」




横を向くと、そばには、蒼がいた。




「絢音っ!大丈夫か!?」




「…蒼……ここ…どこ…?」




周りを見渡すと、白い天井に白い壁…白いカーテンが風で揺れている。




「病院だよ。覚えてない?いま、おじさんとおばさんこっちに向かってるから…」




あたしは、病院のベッドで眠っていたんだ。




「あたし…」




そうだ…家を出て…いつの間にか…あの海に行ったんだ…




あたしは、ゆっくりと身体を起こした。




「すげぇ…うなされてたぞ?泣いてるし…」




蒼があたしをキツく抱き締める。




「絢音…っ…よかった…――」




「……ごめんね、蒼」




こんなことするつもりなんて、なかったのに…




蒼が泣いていた…――。
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