幼なじみ〜first love〜

俺は絢音を抱きかかえて、ベッドの上に座らせた。




「蒼…怒ってる?」




「…あたりまえだろ?何でアイツがここに…」




俺は立ったまま、ベッドの上に座る絢音を抱き寄せ、髪を撫でた。




「おまえも…しっかりしろよ…。アイツは智也じゃない…遊也だ」




「…わかってる」




「わかってねぇよ…!お前は何も…!」




まただ…また俺のせいで絢音の身体を怯えさせた。




「…ごめん…絢音…怒鳴ったりして悪かった……」




俺は、絢音をもう一度、キツく抱き締めた。




「おまえが俺じゃない男に…触れられたり…見られんのも嫌なんだよ……」




ごめん…


勝手なのはわかってる……




「…頼むよ…絢音……。俺だって…おまえに怒鳴りたくなんかない…」




俺の一方的な気持ちってことも




でも自分じゃ

抑えられない……




「…絢音は…俺のものだけでいて…」




人はどうして

こんなにも



勝手で

汚れた心で



人に恋してしまうんだろう……



恋をすれば

恋に傷つく…――



それでも人は

恋をしてしまうんだ
< 206 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop