幼なじみ〜first love〜
「遊也は、デリカシーなさそうだしなぁ」




ケンちゃんが棒付きの飴を口に加えながら、遊也の背後に立っていた。




「なっ!…ケン…おまえまでヒドイやないかぁ。俺は、めっちゃ空気読めるタイプやで?」




遊也は笑いながら、ケンちゃんの肩に手をかける。




「遊也…。あのね、実は美々ちゃん…風邪とかじゃなくて」




「ん。なんや?」




「…心も身体も傷ついてるんだ…美々ちゃん、どうしたら元気になるかな…」




「説明がアバウトすぎやっちゅーねん。…って蒼…おまえ何、人のイチゴ牛乳飲んどんねんっ!まだ一口も飲んでへんかったのに…」




遊也が持ってきたパックのイチゴ牛乳を、蒼が勝手に開けて、ゴクゴクと飲んでいた。




「…ノド乾いたから。ってか、おまえが一口でも飲んでたら飲まねぇよ…気持ちわりぃ」




「俺の大好きなイチゴ牛乳ちゃんを…何、飲んでくれてんねんっ!?」




「遊也…何マジギレしてんだよ?イチゴ牛乳くらい、このケン様が買ってやるぜ?」




「ほんまー?俺、大好物なんや、イチゴ牛乳」




目がキラキラしてるね、遊也。




「くっだらねー」




蒼も本当にマイペースだけど…人の物勝手に飲むのはよくないでしょ。




「蒼が悪いんでしょー?反省しなさいっ」




あたしは蒼の頭をバシッと叩いた。
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