幼なじみ〜first love〜
「…バカ絢音」




あたしの頭の上に、蒼は顎を乗せた。




「…おまえだけじゃねぇよ…離れて淋しいのは……」




「…蒼……」




「…俺が平気だとか、思ってんのか…?離れて淋しいのは…俺の方だよ……」




震える蒼の声が、いっそうあたしを苦しくさせた。




「好きだよ…絢音……。…俺だってできることなら…おまえのそばで……おまえと一緒にいたい……」




好きだから

愛しすぎたから




相手を想うと言えなかった…素直な気持ち




でも




好きだから

愛してるから




わかりあえた




あたしたちなら…きっと

大丈夫だよね




「蒼も同じ気持ちでよかった…苦しい思いさせて、不安にさせて…ごめんね……」








普段あまり見せない

蒼の弱さは




あたしを少しだけ強くさせた




この愛を未来に変えて


信じてみようと思う…―――




そう、この時


信じたはずだったのに……
< 328 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop