幼なじみ〜first love〜

―――…ガチャ




「母ちゃん…ただい…ま…」




俺が母ちゃんの部屋のドアを開けると、母ちゃんは、ベッドの上に座り、窓の外をじっと眺めていた。




「母ちゃん…?」




「…………っ」




母ちゃんは、俺の顔を見向きもしない。




ぶつぶつと、小さな声で呟いている。




でも何を言っているかまでは、聞き取れない。




「母ちゃん、薬飲んでねぇじゃん」




テーブルの上に置かれたままの今日の分の薬と水。




「……いらないわ」




母ちゃんは首を思い切り横にふる。




「最近、発作出てないからって…でもこっちの薬は飲まなきゃダメだろ?」




俺は、水の入ったコップと薬を無理やり母ちゃんに渡そうとする。




バシッ……ガシャンッ……――!!




母ちゃんが俺の手を、思い切りはねのけ、ガラスのコップは床の上で割れた。




「…母ちゃん……!?」




「いらないって…言ってるでしょ!?」




母ちゃんは、俺を思いきり睨み付けて、また窓の外を眺めていた。
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