幼なじみ〜first love〜
「ホントにお礼だから。食べて?ねっ?」




女は、俺に顔を近づけてくる。その距離が近すぎて、苛ついた。




「俺、弁当あるし…ホントにこういうことしなくていいから。困る…」




「せっかく作ったのになぁ…」




女は勝手にふてくされて、上目遣いで頬を膨らましている。




……めんどくせぇ。




「んじゃ、今度お菓子作ってくるねっ?」




「いらねぇって…!ちょっと、おいっ…!聞いてんのかよ?!」




女は瞬く間に教室を去っていった。




意味分かんねぇ女

しつこいし…。




「あーおくんっ♪だってさ〜」




声のする方を振り向くとケンが立っていた。




「ケン…!」




ケンは、俺の後ろの席に座り、興味津々な顔をしている。




「隣のクラスの栞ちゃんじゃ〜ん。あの子、芸能事務所に入ってるらしいぜ?」
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