幼なじみ〜first love〜
「ムリして話そうとすんなよ」




だって…黙ってたら




蒼と離れるのがツラくて




泣いちゃいそうになる…




「ムリなんかしてないってばぁ…!」




「…絢音、母ちゃんのこと憎いだろ?だから…」




…憎い…のかな…?




パパとの関係を知って、すごくショックだったけど…憎いとか、そういう感情じゃない気がする。




「…じゃぁ、蒼はパパのこと憎い?」




あたしは、蒼の手にそっと触れた。




その手を、蒼はぎゅっと握り返す。




「憎いわけねぇだろ…?涼介さん、本当に可愛がってくれた。そこに何か理由があろぉが、なかろぉが、今までしてきてくれたことは…感謝してもしきれねぇよ」




蒼は、唇を噛み締めて、外の景色を眺める。




「あたしもだよ…急に好きだった人を嫌いになんてなれないよ。蒼のお母さんだもん…」




小さい頃から


ずっと知ってる人だもん




急に嫌いになんてなれないよ……




「だから…あたしたちが兄妹じゃなかったら…」




握り締めた手に力が入る。




「兄妹じゃなかったら……時間はかかるかもしれないけど、いつか許せる日がくるんじゃないかって…」




あたしは…そう思ってる…




このまま




嫌いになりたくない

恨みたくない




大切なパパと




この世で一番

大好きな人のお母さんを




憎んで

生きたくないから
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