幼なじみ〜first love〜
時差ぼけで少し頭痛を感じながらも、俺は、無事に家の前にたどり着いた。




ジーパンのポケットから、鍵を出す。




ガチャ……―――




「………ただいま」




玄関に入ると、家の中は不気味なほどに静かだった。




「…父ちゃん…?」




父ちゃんが3、4日の間、母ちゃんのそばにいてくれるという約束で、俺は日本に行った。




いつも仕事ばかりで、ろくに家に帰って来ない父ちゃんの、精一杯の気遣いだったはずだ。




「…父ちゃん…どこにいんだ…?」




リビング、庭、父ちゃんの部屋を探しみたけど、父ちゃんの姿はなかった。




「どっか…出掛けたのか…?」




俺は独り言を呟きながら、母ちゃんの部屋をノックした…―――。




コンコン…―――




「…母ちゃん…?ただいま」




ガチャ……―――




俺は笑顔で、母ちゃんの部屋のドアを開けた。




「お土産…母ちゃんの好きな甘い……――――」




目に飛び込んで来たのは、信じられない光景だった。




………嘘…だろ……?
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