幼なじみ〜first love〜
―――………


目を閉じると

悲しい17才の記憶……




別荘の帰り、空港まで蒼を見送った後…家に帰ると部屋中がぐちゃぐちゃになっていた。




何かあったのだと思いながらも、あたしは床に落ちていた、割れた皿などを片付けていた。




しばらくすると、パパが帰ってきて…




『パパ、何があったの!?』




蒼のお母さんとの関係を知ってから、パパとはずっと目も合わせずにいたけど、それどころではなかった。




『絢音…3日間も、どこに行ってたんだ?蒼といたのか?』




『そうだよ。蒼といたの』




パシッ……―――!




パパに手をあげられたのは、生まれて初めてだった。




『あれほど言っただろう?蒼とは別れなさいと……』



パパなんか大嫌い…――




ママはその頃、病院で傷の手当てを受けていた。




家中のモノをぐちゃぐちゃにしたのは、ママ。傷もその時に負ったらしい。




原因は、パパと蒼のお母さんの関係をママが知ってしまったからだった。




今までの結婚生活の思い出や幸せを、全て壊すように…ママは荒れ狂い、家中のモノをぐちゃぐちゃに壊した。




ママにだけは、知って欲しくなかった。




ママにとっては、今までのパパはきっと、最高の夫だったと思う。




二人でデートによく出掛け、近所でも有名なほど、仲がいい夫婦と言われていたから。




何より、ママはパパを信じ過ぎていたし、裏切りを知った時の絶望は、大きかったに違いない。




ママがこのことを知ったのは、

蒼のお母さんから、直接電話があったという……。
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