幼なじみ〜first love〜
――……………


……………………


……………




「…せやから俺は、絢音にプロポーズしたんやけど…ダメやった……」




蒼について知っていること、全て話した。




ケンも美々も…

ただ泣いていた…――




苦しそうな胸を掴み

声を詰まらせて




静かに

静かに




涙を流していた……




「…あたし…今から…行ってくる……絢音のとこ…」




美々は、涙を拭い、鞄を持って立ち上がった。




「…ほっとけないもん……あたしは…絢音の親友だから……役立たずに終わっても…そばにいてあげたいの……。行くね…っ」




そう言って美々は、俺に安心しろと言うような顔で、微笑んだ。




「美々…絢音っちのこと頼むな?」




「うん、ケンは…遊也と一緒にいてよ…タクシー拾ってくから平気っ」




「わかった」




ガチャ……バタンッ…――




美々が絢音の家へ向かい、俺とケンは、部屋に残された。




「遊也…おまえ少し寝ろ…どーせそんなんじゃ、ろくに寝てねーんだろ?」




「あぁ…ケンは…?俺なら大丈夫やから、帰ってええよ?」




「帰んの…だりぃし…」




「んじゃ…泊まってってええよ…」




俺は、寝室のドアを開けた。




「遊也…俺は、まだ諦めねぇから…。蒼に会ってくる…」




ケンの言葉を聞いて、返事もしないまま、俺は寝室のベッドに飛び込んだ。




真っ暗な部屋

月明かりが俺を照らす




目を細め

窓の外の月を見つめた




かすかな…光……
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