幼なじみ〜first love〜
ミミちゃんは、部屋に入ってくるなり、あたしを思い切り抱き締めた。




「…ミミ…ちゃん…っ……?こん…な…時間に…どぉ…したの…?」




泣いてて呼吸がうまくできない。




このままじゃ

また過呼吸になりそう……



苦しい……っ




「絢音…ごめんね…?あたしは…アンタの親友なのに……。絢音がツラい時に何もできない…」




ミミちゃんは、あたしを抱き締めながら、背中を優しくさすってくれた。




「…ひっ…く……」




「大丈夫…ゆっくり息…吐いて…?大丈夫だから…絢音……」




――――…………





しばらくして、呼吸が落ち着き、身体中にしびれを感じ始めた。




「…ミミちゃん…あたし…」




「…遊也から全部聞いた。絢音…あたしが絢音の立場だったら、やっぱり真実を知りたいと思うから…だから…」




「…真実…って…何…?」




「どんな事実も受け止められる…?何も変わらないなら、知らない方がいいってそんなふうに思う…?」




「ミミちゃん…何言ってるの…?」




ミミちゃんは、あたしを抱き締めたまま、




……泣いていた。




「…何が正しいかなんて…わかんない…。ねぇ…絢音?あたしはアンタのこと好きだよ。蒼くんや遊也ぐらい、アンタのこと想ってるよ?友達だから…」




ミミちゃん……




「…知りたい……どんな事実も受け止める。ミミちゃん…一体、何を知ってるの…?」




どんな残酷な事実でも

受け止める




あたしを想って

泣いてくれる友達がいる




あたしは…

ひとりじゃない




だから…




本当のこと

知りたい…―――。
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