幼なじみ〜first love〜
遊也の車…黒のセダンが大学の前に止まっていた。




「どこ行くの?」




「どこでもええよ?」




「何それ…ふふっ…決まってないの?」




遊也が助手席のドアを開けてくれて、あたしは車に乗りこんだ。




遊也はアクセルを踏み込み、勢いよく車が走り出す。




「遊也…仕事は?」




「んー…先週休みなく働いたやん?…せやから午後から休暇取れたんや」




「そぉなんだぁ。連絡くれればよかったのに…ミミちゃんにレポート押し付けちゃったし…」




「怒ってるん?」




「だって…ミミちゃん可哀想じゃん…」




「そやなぁ…ごめんな?先週も絢音に会えへんかったし…早く会いたかったんやもん」




遊也は右手でハンドルを持ちながら、左手であたしの手を握りしめた。




「俺、ワガママやな…」




さっきから


遊也にドキドキしっぱなしだ




「…仕事忙しかったんだし、会えないのとかは、しょーがないじゃん」




「そぉなんやけど……」




少し寂しそうな横顔。




「でも、あたしも…会いたかったよ……」




「絢音…」




この3ヶ月の間、


想像以上に

穏やかな気持ちで、過ごせていた




あたしの生きる世界は

全て蒼だったのに




遊也の絶え間ない

愛情と優しさは




一瞬でも

蒼のことを忘れさせてくれた




遊也のそばにいると

安心する




きっと…このまま


時が流れてゆけば




こんなふうに少しずつ


蒼を忘れて思い出にできる……?




遊也をきっと


好きになれると思う……




ねぇ……蒼




今日も元気に過ごしてますか?


幸せに…笑ってますか……?






空を見ると問いかけてしまうけど




あたしも必死に前を向いてるよ
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