幼なじみ〜first love〜

私の声が出ると蒼に告白してから、１週間。




今までの状況とは、天と地ほどに変わった。




私の声が出ると知ってからの蒼は、よくしゃべってくれる。




よく笑ってくれる。




よくふざける。




そんな蒼を見て、私もまた…笑顔になる。声を大にして笑う。




まるで蒼は、私が失声してた時間を埋めるかのように…




蒼もたくさん、たくさん話して




私の話もたくさん、たくさん聞いてくれる。




こんな生活をずっと夢見てた。




でも叶わない夢で

終わらせるつもりなんか…



最初からなかった




夢は見るだけじゃなくて




叶えるモノ…




叶えなきゃ何も




意味なんて持たないんだから……―――。




“ただいま”

“おかえり”




言える人がいる




“ありがとう”




笑顔になれる場所がある




“ねぇ…”




今日あった出来事を話す人がいる




一緒にご飯を食べて


“おいしいね”って

微笑んだり…




テレビドラマを見て

一緒に泣いたり、話したり…




“おやすみ”




隣で眠ってくれる人がいる




幸せな夢を見ても


怖い夢を見ても




“おはよう”




朝起きると


大好きな君がいる……―――。




それだけなのに…




私の夢は

あたりまえのような




“普通の幸せ”です……




ねぇ……神様


それだけなんです……―――。