幼なじみ〜first love〜
「…こんだけおまえのこと好きなん…俺だけやで…?」
冗談ぽく言う遊也だけど、それは照れ隠しなんだって知ってる。
「…ありがと…遊也…」
遊也はあたしの髪を撫でながら、ニコッと歯を見せて笑っていた。
「“ごめん”より…“ありがと”のがエエわ…」
「………うん」
「過去なんかに俺は負けへんよ。時間はどんどん流れてるんや…。絢音の心ん中、俺との思い出でいっぱいにしてやんねん」
何度も何度も裏切って
傷つけてきた
それでもこの人は
笑って抱きしめてくれる
この人を信じてないわけじゃない
あたしが自分を信じれない
それでもこの人は
進むべき道を指さしてくれる
忘れなきゃいけない…もう
蒼はいない……―――
どうして人は
どんなに傷ついても
どんなに苦しくても
恋をするの……?
人を愛すの……?
人は
ひとりじゃ
生きられないから……?
二人で乗り越えるって
決めたはずだった……