幼なじみ〜first love〜
あたしは泣きながら下を向いて、病院の廊下を歩いていた。




“俺から連絡するまで…会わんとこ…?”




あたしが悲しい時

いつも遊也は




そばにいてくれたのに




あたしは遊也に

どれだけ救われたか




あたしは遊也にとって


そういう存在になれないの…?




してもらうばっかりで


あたしは
何もしてあげられない




すごく悲しいよ……




ドン…っ…――!!




病院の廊下で人とぶつかり、あたしは倒れ込む。




「大丈夫かい…?」




手を差し伸べてくれたのは、白衣を着た医者だった。




「…あのっ…!」




「……ん?」




「あのっ…あそこの病室の……一ノ瀬遊也は…何で入院するんですか…?どこか悪いんじゃ……」




どうしても

信じられなかったから




どこか悪いんじゃないかって……




心配だったから……




「……あぁ…一ノ瀬さんは過労だよ。…仕事などで疲れが溜まっていたんじゃないかな…?心配かい…?」




「はい……すごく…」




嘘じゃなかった……




「ゆっくり休ませてあげなさい…」




そう言うと、医者はその場を去っていった。




遊也…あたし


待ってるから……




あたし…遊也のそばにいる
< 829 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop