幼なじみ〜first love〜

せやけど俺は、これが夢でないということを、その医者の一言で確信したんや。




“……病名は…”




病名を聞いた時、夢から覚めたんや。智也と同じ病気やった。




俺の双子の弟……智也と。




智也…俺はずっと



おまえが自分で死を選んだ気持ち

わからんかった




あの頃、智也は親父と暮らしてて


俺は母ちゃんと大阪で暮らしてて


離ればなれやったな




病気やってわかって


おまえはどんな思いで




寂しかったやろ…?

悲しかったか…?



それとも

悔しかったか…?




俺…20才やで?

まだこれからやろ…人生




智也はまだ…あの時

小学生やったな




生きたかったやろな




もっと…この世界で

生きたかったやろ…?




神様は意地悪やな……




タイムリミットを与えるなんてな……




“先生、頼みがあるんやけど…”




ロビーで待ってる女の子がいると看護婦から聞かされた。




呼んで来て欲しいと…



それと…その女の子には、病気のことは絶対言わんといてと…




ただの過労やって…




ちょっと入院して

休むってことにしといてや




そう…俺は頼んだ。
< 854 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop