幼なじみ〜first love〜
「ねぇ…絢音。絢音が全部悪いんじゃないよ…?仕方ないんだよ…恋は、こういうものだもん…」




美々ちゃんは、泣いてるあたしをそっと抱き締めて頭を撫でてくれた。




「この広い世界中の中で、想い合えるなんて奇跡なんだから…」




星の数ほどいる人の中で




出逢った人たち




この出逢い全てに

意味があるのなら




どうして遊也に

出逢ったんだろう…




「ねぇ…絢音。きっと…“好き”もいろんな形があると思う。遊也のこと、好きだったでしょ…?」




「うん…好きだった。遊也がいなかったら…今のあたしはいないから…」




いつも想ってくれてた


愛してくれてた




あたしの気持ち知ってて




それでも絶え間ない




愛をあたしに与えてくれた




涙を笑顔に変えてくれた




遊也のこと


好きだったよ




「でもね、絢音…特別な“好き”は、やっぱり一人なんだよ…」




美々ちゃんは、あたしの手をギュッと握って微笑んだ。




「“運命の人”…絢音と蒼くんは、特別なんだよ…」




「……運命…の…人…?」




「うん…2人はやっぱり特別だと思う…。遊也も高校の時からずっとわかってたはずだよ…それでも絢音を想ってたのは…」




美々ちゃんは、優しく微笑む。




「好きな気持ちは、簡単じゃないからだよ。頭ではわかってても、気持ちはどうにもならないこと、あるじゃん?」




「うん………」




「でもいつだって遊也は…絢音のこと一番に考えてきたと思うよ?絢音が大好きだから…だからね、幸せになってもらいたいって…今度こそ蒼くんとって思ったんじゃないかな…?」




「うん……ありがと、美々ちゃん…」




「近くまで一緒に行ってあげるからさ、それ…返しに行くんでしょ…?」




美々ちゃんは、テーブルの上にあったカギを指さして言った。
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