幼なじみ〜first love〜
「…まさか…栞ちゃんが…やったの?」




不気味に微笑む栞ちゃんを、あたしは思い切りにらみつけた。




「栞は…ただ言っただけだよ?くだらない蒼くんのファンクラブなんか作ってる子たちがいるからぁ…アンタを恨むように嘘言っただけ…」




「ひどい…どんな嘘を?…何でそんなことするの?」




「欲しいものは、絶対手に入れたいから…とくに男は」




パシンッ…――!




あたしは、栞の頬を思い切り叩いた。




「…イタイッ!」




栞は頬を押さえ、あたしを思い切り睨みつける。




「アンタめざわりなの!蒼くんの周りうろつかないで」




栞はあたしにそう叫んだ。




「そんなこと、栞に言われる筋合いなんてないから!」




「あっそ。じゃなきゃ、アンタの大切な親友にまで辛い思いさせるかもよ?」




何を言ってんの?

この人……



頭おかしい……




「美々ちゃんになんかしたら、あたし…絶対に許さないからっ!」




「アンタ次第じゃない?蒼くんのこと諦めて、おとなしくしてたら何もしないから、安心して?」




そう言って栞は、笑いながらその場を去っていった。




栞が犯人だったなんて…




信じてたのに…違うってそう思ってたのに




ひどいよ……最低。
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