幼なじみ〜first love〜
遊也が言いたかったこと




いまの俺たちに一番大事なこと




そう…それはきっと




“大人になるということ”




手に入らないモノ


欲しいモノを




泣いて、喚いて




欲しいという




それはただの子供




俺の世界は

全てが絢音になってた




好きなだけじゃダメなんだ




いつまでも子供じゃいられない


もう子供のままじゃダメなんだ




それだけじゃ生きてゆけない




本当に愛しているなら




自分自身をまず愛して




自分を大切に出来ない人間が




人を愛せるわけない


人を幸せになんてできない




大人になるということとはどういうことなんだろう?




自分の中の純粋な部分

大切なモノ




それを大事だと認識して




失わないように自覚するということ?




自分の言葉に行動に




責任を持つことだろうか?




ただ、いまの俺には

絢音を幸せにする資格も力も




何もないと思い知った




ただの子供だった




俺たちは本当の大人にならなきゃいけない




年齢とともに……




諦めるわけじゃない




ただこのままじゃ




誰ひとり幸せになれない




「大人になろうよ…蒼、あたしは信じてる……」




絢音はわかってた




大人になるということが




生きていくということが




愛するということが




どういうことなのかわかってなかったのは




俺だったんだよ




「絢音…っ」




俺は強く強く、絢音の身体を抱きしめた。




これが最後ではない




そう信じたいのに




俺は

このまま時が止まればいい




そう願ってた
< 931 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop