―愛彩―
それからというもの、和人様は優花さんを何かと、気にかけるようになりました。

須崎のご両親に配慮されながら、ご自分にできることは何でも、優花さんの為になさっておられました。

食事を一緒になさったり。

誕生日にはプレゼントを贈られたり。

勤め先の世話までなさいました。

表向きは、

『唯一の身内だからね』

と、おっしゃっておられましたが私は考えていました。

――和人様は、優花さんに由里様を重ねておられる・・・。

幼すぎて、何もできなかった恋心。

行くあてを失った想いは今、娘の優花さんに向けられている。



それはある意味では幸せなことなのかもしれない・・・。



優花さんのご両親も喜んでおられる。

優花さんも、和人様を頼りになさって。

和人様の心も穏やかになるのであれば、それに越したことはない。

幸せな事には違いない。

和人様の嬉しそうな表情は、私を複雑な思いにもさせていました。
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