アリガトウ、ダイスキ〜過去〜



痩せ細り、手首は大人の手首だと思わないほど細く、漆黒の髪は白くなっていた。






何度も、何度も溜息を吐くお母さん。




お父さんの写真を見ては涙を流し、ゴミ箱に捨てれば、また拾い出してくる。
その繰り返しだった。








そんなお母さんの姿を見たくなくて、部屋に閉じ篭った事さえもある。









これが、家族を狂わしたのかもしれない――










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