被害妄想彼氏
とりあえず、ケツ子に連絡を取ることにした。
修司くんがケツ子の携帯番号を知ってるのは気にくわないけど…。


「あ、もしもし?」


「あっ!修司くゥゥん。どおしたのおー?」


離れていても聞こえるかん高い声。


「えっと、これから…会えないかな?」


「え…っ」


おいおい、完璧デートの誘いじゃねーか。


「うんっ!いいよォ」


「じゃあ、学校近くの喫茶店の前で待ってるから…」


「うんっ!楽しみにしてるねェ!」


ブツッ…ツーツー


「作戦成功です!隊長!」


…隊長?


「……ん、んーよろしい。でも問題はここからだから油断しないように!」


「あいあいさー!」


私と修司くんは例の喫茶店へと向かった。


「いい?修司くん、打ち合わせどおりやるのよ」


「分かった」


そう言うと私は物陰に隠れてケツ子を待った。


「しゅうじくゥゥゥん」


うざったい声を出してケツ子が現れた。


『ホシが現れたであります!』


修司くんはオモチャのトランシーバーを使って状況を報告。


「よし、では検討を祈る!またなにかあれば連絡するように!」


うーん、なんか刑事みたい!
………って楽しがってる場合じゃない!後を追わねば!!


「修司くんから誘われるなんてェ、初めてだよォ」


喫茶店に着き。ケツ子が言う。


…この喋り方、なんとかならないものか。
私は貧乏揺すりを始めた。
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