ベイビーベイビーベイビー
八、ベイビーたちの……

Accident1 彰人

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 ゴールデンウィークも3日目。

 この日特に予定もなかった彰人は、久しぶりの実家でのんびりと過ごしていた。

 「子どもの日」だと言っても小島の家では未だ子どもの祝い事などの行事とは縁がなく、そろそろ孫の顔が見たいと母、真佐子が彰人に縁談を持ってくる気持ちも分からなくはない。


 遅めの朝食後、日当たりの良いリビングに備えられた三人掛けのソファーに寝転がった彰人の手には、彰人が以前から気になっていた本があった。

 それはこのところ多忙を極めていた彰人にも、ようやく安寧の時間が訪れた事を物語っていた。


 加えて、彰人にとってこの場所は、彰人がずっと小さい頃からそうやって過ごしてきた場所であり、そこに寝転ぶと、不思議と集中して一気に本を読み終える事ができるのであった。


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