ベイビーベイビーベイビー
 

 小島彰人は同じ社内の経理部にいて、真理江のいる広報企画部の担当をしていた。

 悪い人ではないとは、分かっている。

 しかし彰人が自分に好意を抱いている事を何となく感じ取っていて、それが真理江には、とても面倒だった。


 とはいえ、

「今日も相変わらず凄い人だね?」

 そんな事とは露知らず話し続けている小島は、5つ以上歳上である上に、仕事上 顔を合わせないで済む相手ではない。

 とにかく自分は社会人として、ここで生きていかねばならない以上、

「本当ですね。急いでいる時は困っちゃいますね」

 あまり無下にする事も出来ず、真理江はいつも無難な返事をしていた。


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