ベイビーベイビーベイビー
 

 しかしこのような生活をいつまでも続けられない事など、綾乃自身も分かっていた。


 いくら娘に甘い父親と言っても、もう数年すれば勤めている地元の工務店を定年退職する。

 祥吾から振込まれる僅かな生活費では、綾乃がこの後暮らしていくのに十分なはずもない。


 「誰もあてには出来ないな」と、漠然とした不安を抱きながらも、しかし綾乃は変わらなかった。


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