Black Light
月が満ちて行く
もうそろそろ朝が始まる
湊は言ったね
“朝より夜の方が好きだ。
何もかも包み隠さず…
隠してくれるから”って
手の平に薬を置き
最後に満面の笑みで
月に向かって叫ぶ
「湊!
ありがとう!
大好き!」
ねぇ湊
私も
私もね…
湊との未来が見えてたの。
だから
怖かった
ずっと
この幸せから逃げることが
怖かったんだ。
でも、もう大丈夫だね
ずっと一緒にいられる
片時も離れず
誰にも縛られず
神様はきっと公平に幸せを与えてくれるから
だから
これからはずっとずっと一緒にいようね
「…湊。
大好き」
月が一層強く光り
湊が笑ったように思えた
「もう心配しないで」って
そう聞こえたから
だから
私はあなたの元で
永遠の眠りにつくの
-END-


