天からの贈り物
三角関係
ガチャ
私の仕事場の扉が開いた

質素だが使い易いし適度に広い

大きな栗の木でできた仕事机

その角にある銀の細工がほどこした立派な置時計

ちなみに七分遅れてる

壁にある棚は昔図書室だったなごりで大量の本が並べられるが

重要なものは一切なくて童話とかばっかだけど

さぼってるときとかたまに読んる

そんな私のお気に入りの部屋

もう二年はつかっている

それ以上一緒にいる仲間がいる

「よぅ、おはよっ天化!」
もう昼になるって

色の濃い金髪を短く切りそろえている青年が元気そうな顔をのぞかせた

「………虎翼…なに?楽しそうな顔して」

「いや、だって新しい部下ができたって聞いたからさ?見にきたの。
部下二号として」

「………部下一号のほうが帰ってきたら一緒に紹介してあげる」

優月と会ったのは今朝だというのに……耳が早いっ

「……天祥かぁ……(部下一号ね)
たしか、どっかのスパイにいってなかったかぁ?」

そうなんだよっ
あぁ心配

「じゃ、《天祥お帰りなさいパーティ》と《歓迎会》同時にやるか」

私は頭を抱えてきっぱりといった
「ダメ」
「え゛―――!」
不満の声にキレそうになる
「あんたは!酒飲んで店半壊させたのは誰だと思ってる!!!そのせいで店出入り禁止になったんだろうがぁ!!!!」

先週のことだ。
忘れることのない悪夢
どれだけ怒られたと思ってるっっっ
しかも私がっっ
虎翼のせいでっっつ!!!


けど《天祥お帰りなさいパーティ》はやってやりたいなぁ………

だって天祥はわたしの弟だからね
虎翼と違って可愛いんだっ
虎翼なんて三十路まじかのおっさんだし

「うるせいっまだ28だっっ」


虎翼とバカ話しながら私は優月を正式に仲間にいれこむ準備をしていた。



平和だ………

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