-片翼だけの天使-
冬椿は僕を見るとにっこり笑った。

「初めて聞くの?感想は?どう?」

冬椿は、大きな瞳で僕を見た。吸い込まれそうだ。

「あ、凄い良いね。てかさ、初めて聞いたんだ。凄い感動しましたし」


「ほんと?嬉しい。若い子ってだいたいわかんないって言うの

「あはは、何?君だって若いじゃないの?          
 変わった子だなーと、僕はそう思った。

「あのね、あなたの名前聞いてないから…」


「あ、すみません。僕は矢島良っていうんだ。今日はよろしくお願いします。君のは芸名でしょ?ほんとの名前はなんて言うの?」

「私の本名?私は山上蛍子って言うの」

「へえ蛍子、本名のほうがずっと良いじゃない。なんかこう、演歌って感じするし。笑」


< 10 / 48 >

この作品をシェア

pagetop