-片翼だけの天使-
「な、何かおかしいですか?」

僕は笑われてしまった。

「ごめんなさい。でも、台本通りやれば大丈夫よ。心配ないわ後は私がフォローするから。これから練習するから席を外して」

僕は言われるままに部屋を後にした。さすがに、経験を積んでいるだけあって貫禄がある。
僕は会場になるスーパーの駐車場へ行った。パートのおばちゃんが何人か掃除をしていた。

「あら、良くんさぼったら駄目じゃない」

そう言って、僕に箒を持たせた。

「僕、司会をするはめになった」

「え!良くんが司会?大丈夫?ちゃんとしゃべれる?練習したほうが良いんじゃない」

まるで、母親のような口調で言う。

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