青瓶奇譚



「携帯…なんか来てるよ……」



かすみがぼくに抱かれたまま声を出した



「うん…」



ぼくは静かに



かすみの肩から手を離した



でも携帯は見なかった



相手はきっと



ゆきにちがいないと思った



「帰ろうか…」



「うん…」



ぼくとかすみは



駅まで一緒に歩いて



そこで別れた






< 63 / 82 >

この作品をシェア

pagetop