冬物語

さっきのバスにはお母さんが乗っているはずだった。



お母さんと会うのも久しぶりで、あたしはこわくてこっちになかなか戻ってくることができなかった。



お母さんと待ち合わせしているここは、あたしが住んでいた地元とはまた少し離れた街。


車を修理に出しているらしく、急遽バスになったらしい。


代車を借りればいいものを…


『新車の臭いはどうも嫌い』だと言う。



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